高血圧症について〜2収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)と後は、脈拍は、気にする方が多いのですが、「脈圧」を気にかける方は、専門家を除いて、ほとんどいらっしゃいません。実は、「脈圧」は、重要な身体の状態をあらわすサインなのです。
脈圧とは
脈圧 = 上の血圧−下の血圧
★ 理想的な「脈圧」は、30〜50mmHgです
よくみられる「脈圧」や「血圧異常」のタイプについて考察いたします。
@「脈圧」が大きく80mmHg以上ある方
脈圧が80mmHg以上ある場合、または、高齢者で上の血圧は高いのに下の血圧は正常な方は、太い血管の動脈硬化が進んでいることをあらわしています。 甲状腺機能亢進症でない場合は、近い将来、心筋梗塞や狭心症が起こることを示す危険な兆候です。 上の血圧も下の血圧も加齢とともに上昇していきます。ところが60歳を過ぎる頃から上の血圧はさらに上昇しますが、下の血圧だけ下がって、70歳を過ぎた頃には、脈圧が大きい方が増えてきます。
A50歳未満で、「脈圧」が小さく30mmHg未満の方
50歳未満では、脈圧の小さい人の方が、死亡率が高くなります。脈圧が小さいのは、動脈硬化などにより、細い血管が狭くなっているためだと考えられます。 特に、下の血圧が110mmHg以上ある方は、きわめて深刻な状態です。 脈圧の小さくなる原因としては、肥満、運動不足、ストレス過剰などが考えられます。
B「脈圧」の大小に関係なく、下の血圧が130mmHg以上の方
下の血圧が130mmHg以上の方は、悪性高血圧症という大変な病気です。 30〜50歳代の男性に多く、女性にもみられます。心臓や脳細胞や腎臓などの臓器に深刻な障害をおよぼします。治療しなければ、数ヶ月で、命にかかわります。若い女性では、「大動脈炎症候群(脈なし病)」などが考えられ、高齢者では、「粥状動脈硬化」が進んでいることが考えられます。
C左右の腕の上の血圧の差について
左右の腕で、血圧を測り、上の血圧を比べてみましょう。もし、左右両腕の上の血圧の差が、10mmHg未満なら心配いりません。20mmHg以上の差があれば、血圧の低い側の動脈に異常が起こっています。具体的には、「大動脈瘤」の前兆だと考えられます。
高血圧のコントロールについて
なかなか血圧をコントロールすることは、むずかしいのですが、日常生活において、注意したほうが良いと考えられることをまとめてみます。
● 極力、食事から、塩分(Na)をとらない。 ● カルシウムとマグネシウムを摂取する。 ● 体重を増やさない。 ● 低脂肪の食事にする。 ● 食物繊維をとる。 ● タバコはやめる。 ● 排尿と排便は、我慢しない。 ● 前かがみの姿勢をしない。 ● 興奮しないように注意する。 ● 良質な睡眠をとる。 ● 毎日、軽い運動をする。 ● 腹式呼吸を身につける。 ● ストレスを遠ざける。 ● 森林浴などでリラックスする。
以上のような点に注意して、日常を過ごすことが大切です。食事ではなかなかとりきれないカルシウムやマグネシウムは、栄養機能食品などを利用してもいいでしょう。
|