ストレスが及ぼす影響
「こういうご時世」という言葉はあまり好きではないのですが、現代社会においてストレスフリーな生活を送るというのはなかなか難しいのもまた事実です。ストレスが体に溜まるとどんな影響が出てくるのでしょうか? ストレスの影響は大きく分けると、神経系、内分泌系、免疫系などに大きな影響を及ぼすことが分かっています。ストレスがたまりますと、血中にアドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンといったホルモンの濃度が高まることにより、血管がキューッと収縮してしまいます。また、長い期間ストレスを受け続けるとたんぱく質や脂肪、糖分、ビタミンなどが大きく消耗され、免疫機能の低下につながります。免疫機能が下がれば当然、ガンなどの発生確率も高まります。色々と書きましたがストレスがかさむ事により体の様々なバランスが崩れてしまう、ということですね。
中医学の考えでは精神的ストレスの最大により最も影響を受けるのは五臓六腑で言うと「肝」という部位とされています。肝は「肝臓」だけではなく、感情をつかさどる臓器でもありますが、肝臓の血液貯蔵庫という役割だけではなく全身を巡るエネルギーの流れや自律神経などとも密接な関係があるとされています。
エネルギー(「気」といいます)と血は密接な関係にあり、どちらか片方の流れが滞ればもう片方の流れも悪くなってしまうものです。ストレスによりこの「肝」が損傷すると気分のイライラや不眠などの精神症状が現れ、これを放置したままにすると胃腸障害やすぐに疲れてしまう、肩こり、頭痛などといった様々な不調が現れてきます。これは血の流れが悪くなることにより引き起こされる症状ですが、体の芯が冷えてしまい、臓器の機能が低下したり血管が詰まったりと身体の状況が次第に悪化していることを警告するサインでもあります。 ではどうしたらいいのか?ストレスを取り除けばいい?それは理想ですがそんなに簡単にストレスの元を取り除けますか?難しいですよね。そんな時には中医薬を試されてみてはいかがでしょうか?
そもそもストレスって?
ストレスとは、もともとは物質に反応を起こさせるさまざまな刺激のことで、物理学の用語でした。最近では医学用語として用いられるようになり、温度や騒音といった環境、引越し、身内の不幸、離婚などの刺激から身を守ろうとするときに働く体のメカニズムのことをそう呼ぶようになっています。
私たちの体は、ストレスになるような刺激によって、さまざまな反応が起こってきますが、最近の研究から、自律神経系(自律神経によって体の機能を整えるシステム)と内分泌系(ホルモンによって体の機能を整えるシステム)が、中心的な役目を持っていることが分かってきました。
(1) 自律神経系のメカニズム 自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、両者はシーソーのような関係で機能しています。このうちストレスに関係するのは交感神経のほうで、ストレスがかかると交感神経が活発になり、血管が収縮したり、呼吸数や心拍数が上がったり、筋肉が緊張したりします。こうして体はストレスと闘う、臨戦態勢に入ります。 (2) 内分泌系のメカニズム ストレスを脳(大脳辺縁系)がキャッチすると、その情報が視床下部に伝わり、副腎という部分から「抗ストレスホルモン」と呼ばれる副腎皮質ホルモンが分泌され、エネルギー供給が高まったり、鼓動が早くなったり、血圧が上がったりします。これはストレスによるショックを和らげるためだと考えられています。
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