足の「つり」「こむらがえり」
明け方に足がつって困る、そんな相談がこの時期は増えます。特にこむら返りは、痛くて辛いと思います。中医学で「こむらがえり」は、筋肉に栄養や潤いが届かないため、筋肉がつったり痙攣したりする、と考えます。(中医学で指す潤いとは体内の微量元素も含みます) この時期によく出てくる理由は二つあります。
一つは夏に汗をかくことにより体内の潤いが失われていることです。 その結果、心臓から遠い足の筋肉を潤すことができずに つってしまうのです。
もう一つは気温です。 この時期になると朝夕はかなり冷えます。特に明け方は一日のうちで一番、気温が低いのです。つまり冷えにより循環が悪くなり、筋肉に栄養や潤いが届きにくくなる、と考えるのです。
対処法の一つは筋肉の潤いや栄養を補充することです。冷えが原因ならば、暖めて循環をよくしてあげることです。実際この時期に、つるならば、両者の複合原因のことが多いです。 漢方薬は、これらのどちらにも対応することができます。
こむら返りの多くは健康な人にも起こる一過性のものなので、心配ありません。日常生活に支障が出るくらい回数が多い場合は、原因となる病気がないかを調べ、病気がわかった場合はその治療を優先させます。それとともに、マッサージやホットパック(温湿布)、消炎鎮痛薬の貼り薬(湿布)、塗り薬などを使って、筋肉のけいれんを予防していきます。 それでも症状が取れない重症のこむら返りには、筋緊張緩和剤を用いることもあります 運動をすると起こる人は、運動前後にはウォーミングアップやクールダウンをしっかりするといいでしょう。寝る前のマッサージも有効なようです。運動をするときや夏の暑い時期は、汗をたくさんかきます。水分が不足すると電解質の異常が起こりやすいので、スポーツドリンクを飲んだり、塩分補給をしたりしましょう。
こむら返りの予防 ● 運動の前後はしっかりとストレッチを行う ● 運動中はこまめに水分補給(ミネラルや塩分が入ったものを) ● 運動をした夜はお風呂にゆっくり入る ● 入浴後や就寝前は軽くふくらはぎをマッサージ ● カルシウムやマグネシウムをたっぷり取る(野菜や果物、海藻類、牛乳、小魚などに多く含まれる) 症状が起きたとき(足がつったとき)は、膝を伸ばしたまま足の甲を手前に曲げ、足の裏側の筋を伸ばすストレッチをすると和らぐので、試してみましょう。 |