人工妊娠中絶件数は世界的に見ると年間4500万件を超えていて、その内の約2000万件は安全でない方法で中絶が行われているとされます。日本における中絶件数は、年間約290,000件ほどで、年々減少傾向にあります。しかし、人口との比率では全体的な少子化傾向にあることを考えると、あまり減少しているとは言い難いかもしれません。
人工妊娠中絶の一般的なイメージとしては、経済的にまだ十分でない10代、20代の世代が行うというものが強いですが、実際には30代、40代の女性の中絶も多く、妊娠の可能性がある女性すべてに関連する事だと言えます。10代の頃は特に、精神的や経済的な余裕から出産に至るよりも中絶を選ぶ事が多く、妊娠した内の半数以上の65%ほどは人工妊娠中絶を選んでいます。
例えば、手術による中絶方法は薬による中絶ほどの辛さもなくはない、成功率はほぼ100%といわれるためにほとんどがこの方法をとっていますが、費用面では薬による方法よりも高めになります。しかし日本では薬による中絶は危険性も高いため、一般的には初期の段階で 吸引法とソウハ法などの手術による中絶を行っています。日本では多くの医師がソウハ法を行っています。
吸引法とソウハ法の2つの手術方法があるわけですが、この2つの方法の手術操作による危険度の差を比較してみてもほとんどないといえます。危険をあげるとすると、吸引法の場合は消毒方法において、器械に一部組織や血が付着したままになり易く感染性?不潔性が高いとも言われ、器具の消毒が不完全な場合にトラブルが発生する場合があります。ソウハ法は器具を使って掻き出すように行うために子宮を傷つけるというようにも言われています。
手術方法の違いで手術後の不妊や後遺症になる可能性が高くなるというような差がでることもありません。また、このように危険性は同様に存在しますが、医師の出身大学で慣習的に行われている方法を行うといったもので、慣れているかいないかの問題となる程度に止まります。 |