新婚性勃起障害
結婚後、器質(心因)的、機能的に明らかな異常がないにも拘らず、充分な性交渉を行えないものを新婚性勃起障害、または新婚インポテンス(この場合は性機能障害)とする。この場合、男性側ではなく女性側に原因が求められるものがある。本稿ではこの内、新婚性勃起障害について述べる。なお、結婚後一度も性交渉(膣への陰茎の挿入)が無い場合を指して未完成婚と言われる。
新婚性勃起障害は、婚姻直後からED状態、すなわち夫婦間の性交渉が行われない状態となるため状況は深刻であり、『内分泌疾患 精機能障害』によればサンプルは少ないものの、27.6%が離婚または離婚訴訟、或いは別居状態に陥っていた。また、患者の結婚の様式は見合い結婚が25例、恋愛結婚が4例とされており、患者のほとんどが見合い結婚である。初婚年齢は一般より高く、また、童貞であった率が62.5%であった。また、『性機能障害と未完成婚』によれば、性機能障害全般における調査の内、婚姻形態が明らかなケースでは、恋愛結婚16例、見合い結婚65例であった。なお、104例の性機能障害中、83例が勃起不全であった。
また、1987年に行われた調査では「性機能障害」300例中のうち、一人息子が117例、長男が78例に上っていた。さらに末子が70例見られ、以上が全体の88.7%を占める。
多くの場合、その発端は心因性のものと疑われ、結婚に伴う各種のストレスや環境変化、夫、妻、もしくは夫婦双方の性的な無知や未熟などがその原因と考えられている。しかしながら、対応を誤ると結婚初期の性交渉の失敗の原因を誤解し、さらには妻や親の不適切な対応やそれに対する気遣いなどで症状はさらに悪化し、自身が性的不能者であると言う自己暗示に陥ってしまう危険性さえある。失敗に対する誤認識としては例えば陰茎のサイズや包茎など、あるいは腰痛や過去の外傷などが挙げられる。妻の不適切な対応としてもやはり以上の様な誤認識をもとに夫婦が揃ってこの症状に対してのアプローチを間違っている場合があるほか、夫を性的不能者と決めつけてしまうケースも見られるとされる. |