インフルエンザ脳症かも?と思った時にはどうすればいいのか。
A 症状が急速に悪化する病気ですから、子どもの様子を注意深く観察して、おかしいと思ったら、急いで病院に電話をかけて、診察を受けに行くことです。
インフルエンザ脳症の診断や治療というのは、残念ながら、まだ十分に確立されていませんから、しっかりとした治療ができる病院も限られています。
ですから、必ず小児科の専門の医師の診察を受ける必要があります。そこで、必要に応じて、より高度な治療を受けられる病院に搬送されることになります。それと、もうひとつ重要なのは、高熱が出たからといって、医師に相談しないまま解熱剤を使ってはいけないということです。インフルエンザの子供がアスピリンという解熱剤を服用すると、脳障害を起こしやすいことが明らかになっていますし、このような成分が入った解熱剤を使用すると、インフルエンザ脳症が重症化することがわかっていますから、決して解熱剤が家に残っていても、安易に使わないことが重要です。
Q けいれん、意識障害などが出てくると要注意だということですが、子どもは、高熱でけいれんを起こすこともありますよね?
A そうですね。ふつうは「熱性けいれん」といって良性のもので、後遺症が残るなどの心配はないと言われています。ただ、この熱性けいれんと、インフルエンザ脳症を見分けるのは、専門の医師でも、すぐに区別をつけるのは難しいんです。
厚生労働省の研究班が示したガイドラインでは、
●けいれんが止まったのに意識がしっかり戻らないとき
●15分から20分以上、けいれんが止まらなかったとき
●けいれんの前後に異常な言動がみられたときには、要注意だとしていますが、素人が判断すると危ないですから、専門の医師の診察を必ず受けてほしいと思います。
Q (私も小さな子どもがいるのですが)、小児の救急医療体制は大丈夫なのか?
A そこも心配です。
小児救急の専門医や、集中治療室なども限られていますから、重症の患者さんを受け入れる医療機関と、症状の軽い患者さんの診察にあたる病院とを、振りわけて、役割分担しておくなど、重症の患者さんを優先的に救うシステムを、早く、地域ごとにつくっておくことが重要だと思います。 |